栄養・成分
2017年03月31日更新 2017年03月31日公開

EPA(エイコサペンタエン酸)の基礎知識

EPAは血液サラサラ成分としてDHAとともに有名な必須脂肪酸です。しかし、DHAとはいくつもの点で違いがあります。こちらでは、EPAの基本的な知識と期待できる効果などを中心にドクター監修の記事で解説します。

EPAはDHAと同列で考えられることも多い物質ですが、似ている部分があるものの、違いも大きな必須脂肪酸です。DHAとの違いやEPAに期待されているいろいろな効果などを確認していきます。

EPAとは

EPAとは、エイコサペンタエン酸と呼ばれている不飽和脂肪酸のことで、DHAと並んで有名な必須脂肪酸のひとつです。必須脂肪酸ですから、人間の体内での合成ができないため、主に食事から補給する必要があります。コレステロールを抑えて中性脂肪を減らすなど、EPAの働きはDHAとよく似ているため混同されることもありますが、大きな違いがあります。EPAはDHAのように脳内で働くことができません。DHAはEPAから作られます。

EPAの効果

EPAには、DHAと同様の効果が期待されるとともに、DHAだけでは不十分な部分でも効果を期待できます。また、EPAの場合、自己免疫に対する効果への期待も大きいものがあります。

血栓の予防

EPAのサラサラ成分としての働きは、血栓ができるのを予防して血流をよくするものです。血栓をできにくくすることで、心筋梗塞などの虚血性心疾患や脳梗塞といった死亡率の高い疾患のリスクを下げてくれます。また、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールや中性脂肪を減少させる効果も期待されています。

関節リウマチの改善

EPAは関節リウマチの改善にも効果があると考えられています。それは、後述する炎症を抑える作用によるものです。関節リウマチに効果があるとなれば、その他の自己免疫疾患や、エイコサノイドが関係する疾患にも効果を期待できるようになる可能性が考えられます。

アレルギーの症状を和らげる

EPAは、プロスタグランジンと呼ばれるアレルギーの原因物質を低減すると考えられています。したがって、アレルギーのつらさを和らげる効果が期待できます。

その他の効果

EPAに期待されている効果には、上記の他にも精神的な安定や認知機能の改善、筋肉痛の緩和などに効果があるとの研究報告があります。双極性障害とEPA摂取量を観察した研究では双極性障害の症状(躁病重症度、自殺傾向、パニック障害)とEPA摂取量は相関していたという報告が発表されています。またMRI検査において大脳辺縁系(前帯状皮質、右海馬、右偏桃体)の容積を計測したところ、EPA摂取量と正の相関を示していた(健常成人)という報告もあります。

EPAは炎症体質の改善を促す?

身体に異物などの外敵がやってくると、人間はその部位で局所的に防衛反応を起こします。これを、免疫と呼びます。主な外敵である細菌やウイルスによって傷つけられた部位で起きる免疫の結果が炎症ということです。もう少し詳しく言えば、傷ついた部位から外敵を駆逐し、修復のために損壊した細胞の残骸を始末している状態が炎症なのです。つまり、炎症そのものは、人間の身体が元通りに戻そうとしていることの現われですので、処置を誤りさえしなければ大きな問題ではありません。

ところが、免疫による外敵への対処が、誤って自己へ向かってしまうことがあります。これを、自己免疫と呼びます。自己免疫では、外敵など存在しないにもかかわらず、過剰反応して炎症を起こしてしまうのです。

さて、EPAが炎症体質の改善を促すかどうかについては、促すと考えられています。その理由として、EPAが持っているアラキドン酸を抑えて良性エイコサノイドを助ける働きがあげられます。炎症にはエイコサノイドと呼ばれる物質が関係しており、そのエイコサノイドにも2つあります。1つは良性で炎症を抑える働きがあり、もう1つは悪性で炎症を悪化させる働きを持ちます。アラキドン酸の代謝が上がると悪性のエイコサノイドが増えるため、EPAの作用が炎症を抑える効果をもたらすのです。さらに、炎症を抑えることにオメガ3系脂肪酸が関係していますが、EPAもオメガ3系脂肪酸の仲間であることから、炎症体質の改善を促すと考えられます。

EPAの摂取で気をつけること

EPAは健康に関するいろいろな面で効果ができそうな優れた必須脂肪酸と言えます。しかし、体内で合成できないために意識して摂取しないと十分な効果を得られない可能性があります。基本的には食事でとるものですが、EPAが多く含まれている食品は限られています。高度不飽和脂肪酸であるEPAを豊富に含んでいるのは魚です。これは、DHAも同じですが、生の魚がEPAの摂取にはいちばん適しています。

煮物や焼き物では減ってしまうEPA

EPAが豊富な青魚であっても、煮物にすれば煮汁の中に出てしまいますし、焼き魚にしても脂とともに流れ出てしまいます。加熱調理をする際は、その分を見込んで多く使うか、煮汁や脂を無駄にしないレシピや方法を考えるとよいでしょう。ちなみに、加熱調理で出て行くEPAは全体の2割程度だといわれています。

ゴマの成分セサミンを利用する

EPAの弱点は酸化に弱いことです。せっかく青魚を食べて摂取しても、酸化してしまうのはもったいないことです。そこで、ゴマの成分であるセサミンを一緒にとれば、酸化を防ぐ効果を期待できます。

サプリメントの併用

「水銀」を完全に除去したEPAサプリメントの併用もよいかもしれません。

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