副鼻腔炎(蓄膿症)の疑問
2017年05月01日更新 2017年03月31日公開

副鼻腔炎が原因で頭痛を起こすことがある?

単なる頭痛だと考えていたら、実は副鼻腔炎によるものだった、というケースがあります。頭痛への対処をするだけでは、症状をくり返してしまうおそれがあります。副鼻腔炎の頭痛やその治療について、ドクター監修の記事で解説します。

副鼻腔炎(ふくびくうえん)の症状は、鼻水だけとは限りません。さまざまな部位と隣り合わせる副鼻腔が炎症を起こすと、思いがけない症状となって現れる場合があります。頭痛もそのうちの1つです。この場合、副鼻腔炎の治療を行っていく必要があります。

副鼻腔炎が原因で頭痛を起こすことがある

副鼻腔は、鼻腔からつながっている空洞部分のことで、ここが炎症を起こすと副鼻腔炎と呼ばれる状態になります。かぜなどをきっかけに発症し、1、2週間で治まっていくものであれば「急性副鼻腔炎」、症状が長引いて3か月以上続くものは「慢性副鼻腔炎」とされています。

副鼻腔はさまざまな部位と近接しているので、炎症の場所や度合によっては、頭痛をともなうことがあります。4つの空洞を持つ副鼻腔のうち、「前頭洞(ぜんとうどう)」に炎症が起こっている場合、痛くなる可能性があるのは額のあたりです。そして、「蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)」に炎症が起こっていると、頭痛や頭が重いといった症状につながりやすくなります。

急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎では、症状の出方に少し違いがあり、急性副鼻腔炎による頭痛であれば、痛みが強くなりがちです。一方、慢性副鼻腔炎の頭痛は、鋭い痛みというよりも頭が重たいような感覚となることが多いです。理由のわからない疲労感や集中力が続かないといった症状に出る場合もあります。

副鼻腔炎によって生じるその他の症状

副鼻腔炎になると、ほかにはどのような症状が現れるのでしょうか。それを知っておけば、自分の頭痛を副鼻腔炎と関連づけて考える目安となります。

鼻水

鼻水が出る場合、透明ではなく、粘り気のある黄色い鼻水となっていると、副鼻腔炎の疑いが強くなります。さらに、炎症が悪化すると、鼻水が緑色となり、悪臭をともなうことや血が混ざることもあります。

鼻づまり

粘膜が腫れることにより、鼻腔が狭くなって、鼻水の排出や鼻での呼吸が難しくなった状態です。あるいは、鼻茸ができていることが原因である可能性もあります。鼻水をかんでも、出しきれていない感覚が残ります。

においを感じない

鼻づまりの影響で、空気が「嗅神経(きゅうしんけい)」に届きにくくなると、においをあまり感じられなくなります。それに派生して、味覚まで低下する場合があります。

顔面や歯の痛み

副鼻腔の炎症部位によっては、頭以外の痛みとなることがあります。炎症の起こっている部位が、「篩骨洞(しこつどう)」であれば、痛みを生じやすいのは目の付近です。また、「上顎洞(じょうがくどう)」に炎症があれば、頬や歯の痛みになって現れることがあります。

後鼻漏(こうびろう)

鼻水が鼻腔ではなく、のどの方に流れる現象です。咳や痰、鼻声になることもあります。

ただ、副鼻腔の炎症が慢性化していると、鼻水や鼻づまりなどほかの症状をともなわないケースもあります。頭痛だけの症状では副鼻腔炎が原因だとなかなか気づかないこともあるので、注意が必要です。

副鼻腔炎の検査・治療方法

もしかして副鼻腔炎ではないか、と疑いを抱いたら、早めに耳鼻咽喉科で受診しましょう。検査、診断のうえ、症状に応じた治療へと進みます。

副鼻腔炎の検査

耳鼻咽喉科では、自覚症状の詳細や症状が始まった時期などを問診し、診察します。鼻腔内の状態を前鼻鏡(ぜんびきょう)で確認し、粘膜の腫れや膿の有無などを調べます。前鼻鏡で届かない部分を確認するには、内視鏡を使用することもあります。

また、レントゲン撮影も、副鼻腔炎の診断に使われる有効な手段です。頭部をレントゲン撮影すると、正常な状態であれば骨が白く浮かび上がり、空洞となっている副鼻腔部分は黒い状態です。ところが、粘膜の腫れや膿など副鼻腔の状態に異常があれば、この部分も白くなって写ります。手術を行う必要があれば、CTを撮ることもあります。

副鼻腔炎の治療

では、副鼻腔炎の治療ではどのようなことが行われるのでしょうか。急性副鼻腔炎や、それほど進行していない慢性副鼻腔炎であれば、「保存療法」で治療を進めていきます。保存療法では、器具を使って膿を吸引、鼻腔内の清掃や副鼻腔洗浄が行われます。複雑な形状をしている副鼻腔に抗菌薬を直接届けるには、薬剤を霧状にして送り込むネブライザー使用が一般的です。

同時に、それぞれの症状に応じて処方された抗菌薬を服用していきます。急性副鼻腔炎では、細菌を抑え込む作用のある抗菌薬を使用します。一方、慢性副鼻腔炎では、マクロライド系抗菌薬を少量ずつ長期にわたって服用していく方法がよく取られています。

慢性副鼻腔炎が重症化していると、場合によっては手術療法が必要です。かつては歯茎部分から切開していましたが、現在では、鼻の穴から内視鏡を使い、粘膜や膿を除去する方法が主流になっています。

副鼻腔炎の予防方法

副鼻腔炎にならないようにするためには、まずきっかけとなるかぜの予防に留意すること、そして、かぜをひいてしまったら早めの回復に努めることが大切です。特に、鼻かぜをひいて長引かせてしまうと、たまった鼻水が副鼻腔炎の炎症の引き金となりかねません。鼻を丁寧にかんで取り除き、病状によっては、医療機関での診断を受けましょう。

また、アレルギー性鼻炎を持っている人は、鼻水が出るのが常態化しているかもしれません。そうした鼻炎による鼻水も、副鼻腔炎を招くもととなり得ます。今は軽いからといって放置せず、アレルゲンとなっているのが花粉であるのかハウスダストであるのか、あるいは別のものであるのか特定し、できるだけ鼻炎の予防に努力しましょう。それが副鼻腔炎の予防にもなります。

「副鼻腔炎(蓄膿症)の疑問」の記事一覧

記事カテゴリ

記事ランキング

fem.

fem.ヘルスケアが

もっと手軽にアプリで登場!

今日できる。今すぐできる。

健康・キレイ情報を毎日おとどけ。

app-store
google-play