歯周病の基礎知識
2017年05月01日更新 2017年03月31日公開

歯周病のひとつ歯肉炎の特徴

歯のトラブルである歯周病のひとつに「歯肉炎」があります。歯肉炎は自覚症状がなく、気づくことが難しいといわれています。歯肉炎の特徴や治療、予防のポイントについてドクター監修の記事でお伝えします。

歯周病のひとつである歯肉炎は、自覚症状がなく気づくのが難しいといわれています。しかし、放っておくと歯周病が悪化し、ひどい場合は歯を失うことにもなりかねません。歯肉炎の症状や原因、治療や予防のポイントについて詳しく解説していきます。

歯周病が悪化する過程

歯周病は進行の過程により、呼び方が変わってきます。初期段階を「歯肉炎」、進行し悪化すると「歯槽膿漏(歯周炎)」といいます。それぞれの段階の特徴は以下のとおりです。

健康な状態

健康な歯肉の状態は、色はピンク色で引き締まっているのが特徴です。歯と歯の間にも歯肉がしっかりと入り込み、歯を支えています。歯肉は弾力があり、ふっくらしています。ブラッシングをしても、出血などはほとんどみられません。

歯肉炎

歯周病の初期段階を歯肉炎といいます。歯肉は炎症のため、赤色をしています。歯と歯の間の歯肉は腫れて丸みを帯びて膨らんでいるのが特徴です。歯肉が腫れているため、歯と歯肉の境目にプラークが溜まりやすくなり、歯周病が悪化しやすくなるといわれています。ブラッシングで出血することもあります。

歯槽膿漏(歯周炎)

歯肉炎がさらに進行し悪化すると、歯槽膿漏と呼ばれる状態になります。歯槽膿漏は歯周炎とも呼ばれます。歯肉は赤紫色に変色します。歯に接している歯肉はさらに腫れて、ブラッシングをすると出血や膿がみられます。歯肉は退縮するため、歯が長くなったように見えます。歯と歯の隙間も広くなるため、食べ物が挟まりやすくなるなどのトラブルも出てきます。また、歯周ポケットの溝が深くなり、歯を支える土台である歯槽骨が溶けて、歯がぐらぐらしてきます。最終的には歯を失う可能性もあるといわれています。

歯肉炎とは

歯肉炎とは前述したように、歯周病の初期過程の状態をいいます。歯肉炎は、自覚症状がほとんどないため、なかなか気づくことができないといわれています。定期的に歯科専門医の検診を受けて、早期発見・早期治療に努めましょう。

歯周病のセルフチェック

自覚症状がない歯周病ですが、セルフチェックで歯周病のサインを発見することも可能です。以下の項目で当てはまるものがあるかチェックしてみましょう。

・朝起きたとき、口の中がネバつく。

・ブラッシングで出血することがある。

・口臭がする、気になる。

・歯肉がムズムズする、または痛みがある。

・歯肉が赤く腫れている。(健康な歯肉はピンク色です。引き締まってしっかりとしています。)

・硬いものが食べにくい、噛みにくい。

・歯が以前と比べて長くなったような気がする。

・前歯は出っ歯になったように感じる。また、歯と歯の隙間が広くなり、食べ物がはさまりやすくなった。

当てはまる項目が3つ以内の場合、歯周病の可能性は低いと考えられます。引き続きセルフケアまたは歯科医の指導のもと、歯周病の予防に努めましょう。当てはまる項目が4~6つの場合、歯周病が進行し歯肉炎の可能性が考えられます。また、7~全項目あてはまる場合は歯周病がかなり進行し歯槽膿漏(歯周炎)の状態になっている可能性が考えられます。歯科専門の医療機関で診察を受けるようにしましょう。

歯肉炎の原因

口の中には、およそ300~500種類もの細菌が存在しているといわれています。これらの菌は普段は悪影響を及ぼしませんが、磨き残しや砂糖の摂取などにより粘り気のある物質(バイオフィルム)を作り出し、歯の表面に付着します。この細菌の塊をプラークといい、プラークが歯周病の原因と考えられています。プラークには、1mg中に約10億個もの細菌がいるといわれています。その中にいる歯周病の原因菌が作り出す毒素により歯周組織がダメージを受けるため、歯周病が進行していくと考えられています。

歯肉炎の予防法

歯肉炎などの歯周病の予防には、プラークを除去し増やさないことが大切です。それには、日々のオーラルケアがとても重要です。歯周病の予防のポイントは次のとおりです。

正しいブラッシングをする

正しくブラッシングができていなければ、プラークは除去できません。プラークが溜まりやすい部分は「歯と歯の間」「歯と歯肉の間」「奥歯などブラシの頭が届きにくい所」です。この箇所にしっかりとブラシを当てて磨きましょう。慣れないうちは、鏡をみながらブラシが正しく当てられているかチェックするようにしましょう。

また、ブラシは小刻みに動かします。歯の表面は凹凸が多く、ブラシを大きく動かすと磨き残しが出てしまいます。歯1本に対し、10~20回磨くイメージでブラッシングをします。1日に最低1回は5分以上かけて、ゆっくり丁寧に磨きましょう。このとき、歯や歯肉を痛めるおそれがあるため、力は入れないように注意しましょう。

定期検診を受ける

歯の健康状態を維持するため、歯科専門医での定期検診を受けましょう。歯周病になった場合でも、早期に発見し対処することができます。

歯肉炎の治療方法

歯槽膿漏などの歯周病の治療には、「基本治療」と「外科治療」があります。歯周病の過程や程度に関係なく、最初に行われるのが基本治療です。基本治療では、歯周病の原因となるプラークおよび歯石の除去、歯の根の表面の滑沢化、噛み合わせの調整などを行います。専用の器具を用いて、歯の表面や根の表面に付着したプラークを完全に除去します。歯肉の中まで入ってしまった歯石や細菌も除去し、健康な状態に近づけます。また、歯周病が進行すると、歯を支える土台である歯槽骨が溶けて歯がぐらつくことがあります。不安定な状態で噛むと、歯や歯肉に負担がかかるため、噛み合わせの調整を行います。これらの治療により、歯周ポケットの状態が浅く(2~3mm)改善されれば、メンテナンス(定期検診)になります。

基本治療で歯周ポケットの深さが改善されなかったり、細菌に感染して歯周病が進んでしまったりした場合、手術による治療が行われることがあります。外科治療は個人の状態に合わせて行われることが一般的なため、治療内容は個人によって変わります。外科治療により歯周ポケットの状態が改善された場合、基本治療と同様にメンテナンスにより経過をチェックしていきます。

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